土曜日の予想

 チューリップ賞オーシャンステークスともに人気馬が強そうだし、明日も馬券はほぼ見送りでいいかな…。オーシャンステークスドラゴンウェルズ、ナカヤマパラダイスを外枠で割り引いて、アイルラヴァゲインをデキ一息で割り引くとすると、リキサンファイターとサンアディユの一点でいいような気がする。大してつかない気もするけど、一応一点賭けしておこう。



●読んだギャンブル本
ムツゴロウの大勝負
畑 正憲

 動物への狂気じみた偏愛を見せる一方で、非常に筋の通った理路整然とした文章を書くムツゴロウさんは、現代では貴重となった「凄味」のある人間の一人だと思う。「3日3晩麻雀を打ってもへいちゃらで、一度に3人面子が変わった時などは『おかわりィ!』と叫んでご機嫌だった」などという箇所を読むと、世の中には狂気をもってしか取り出せない真理というものがあるのに違いない、ということを確信する。流石に凡人がムツゴロウさんの域まで行くのは難しいが、それでもその文章から勝負に臨む心構えを学ぶことはできる。例えば麻雀では初心者は意外に負けないものであるということに触れて曰く、

 (麻雀で)負けが込んでくるのは、ちょっぴり自信がついてくる頃だ。いろいろつまらぬテクニックを憶え、押したり引いたりするようになる。そして押すべき時に引き、引くべき時に押す。その結果、思わぬ大敗を喫するのだ。これに反し、初心者は堂々としている。たとえ親が役満風のテンパイであろうとも、男一匹いざゆかんかな、である。この態度が、運を離さぬのである。初心者の恒常性とは、丁半バクチに丁の目を張り倒すのに似ている。常敗者よ、たまには天衣無縫に打て。さすれば、運命の女神のはばたきが聞こえるであろう。


 ビキナーズ・ラックとは、勝負を勝負とも思わぬ堂々たる精神によってもたらされるものだということ。自分もたまには逆張りだの適性だのとわかった風な口を聞くのはやめて、これ!と決めた馬の単複にズドンとぶち込む肝の太い博打をうつべきかもしれない。