それにしても先週のラインクラフトは案外だった。確かにデキは良くは見えなかったが、いつもは引っ掛かるぐらいに先行しても最後まで脚色の衰えない馬が、直線で襲い掛かってきたアドマイヤグルーヴに全く抵抗できなかったのはどうしたことか。今年の阪神の力のいる馬場が合わなかったのか、秋3戦とはいえ一杯一杯の競馬をしてきた疲労がこたえたのか。上位馬が主にマイル以上での実績に秀でた馬達だったことを考えると、やはり力のいる馬場と前走から2キロ重くなった斤量が相乗効果で影響したのかもしれない。今まで期待を裏切らない競馬を見せ続けてくれていた馬だけにちょっとショックな敗戦だが、気持ちの面で切れていなければ依然として来年のヴィクトリアマイルの最有力候補であることに変わりはない。まぁそれでも何となく味噌がついたような感じはしてしまうが。瀬戸口先生は重賞こそ今イチだったが、大攻勢をかけた先週で4勝を積み上げて53勝。どうにかピサノグラフで1勝した藤沢厩舎を5勝差に突き放した。しかし今週は打って変わって藤沢勢が17頭登録と強襲。この一週待った感じがいかにも「勝ち方を知っている男」という雰囲気で不気味。5勝差をひっくり返すとなるとかなり厳しいが、10年間リーディングトレーナーを守ってきた男の意地でどこまで迫れるか。有馬記念前に4勝あげてロブロイが勝てば、2着の数で藤沢先生の勝ちになる。1勝の重みってやっぱこういう局面にならないとわからないなぁ。

 

 瀬戸口厩舎と言えば、先週の中京2歳Sを勝ったメイショウサムソンの評価はちょっと改めなければいけないなと思った。野路菊Sは相手に恵まれ、東京スポーツ杯は展開利だろうと思っていたので、新馬戦の内容からかなりの有力馬だと思っていたトップオブツヨシを全く問題にしなかったあの強さには驚かされた。しかも2番手から速いラップを踏み続けてのレコード勝ち。文句のつけようがない内容で、重賞レベルの能力にいるのは間違いない。個人的にあまり評価はしていないが、この馬に完勝するのだからフサイチリシャールもやはりかなり強いんだろう。距離伸びてもむしろ良さそうな血統だし、唯一の不安点はやはり騎手だが、人気の盲点になりそうな分、妙味の期待できる馬となってくれそう。春も注目していきたい。ひいらぎ賞のマッチレスバローも強かったと言えば強かったのだが、勝ち方が無駄に派手な分こちらは人気を集めるだろう。今後の騎手の乗り方次第では迷走の予感もする。ダート路線でもやれそうではある。さざんかSのイースターとロジックも、今後重賞戦線での活躍が期待できそうな内容だった。

 

 去年はちょっと低レベルだったけど、今年のラジたんはアドマイヤムーンサクラメガワンダーニルヴァーナマイネルスケルツィ・マチカネゲンジと登録馬見る限りはなかなかのメンバーになった(フサイチパンドラは自己条件へ回るらしい)。マイネルスケルツィホープフルSに回る可能性が高いので、有力馬4頭の競馬となりそう。実績的にはアドマイヤムーンが抜けているけど、他の3頭もかなり能力はありそうで楽しみ。ニルヴァーナはちょっと人気先行するかとも思えるし、マチカネゲンジは本命を打たないと決めた藤沢の馬なので、阪神2000の鬼アンカツが乗るサクラメガワンダーに期待したい。アドマイヤムーンとの一点で。ホープフルSはマイネルスケルツィが大先生なので、ニシノアンサーの逃げ切りに期待してみたい。クリスマスローズSは見るからに低レベルだが、まぁ前走の内容から言ってステキナシンスケクンになるだろうか。初物づくしの上にバカなダンチヒとあっては信頼する気はおきないが、メンバーがちょっと弱すぎる。