工学的穴馬券入門

工学的穴馬券入門―京都大学競馬研究会名誉会長が教える

 

 予想家・棟広良隆氏の最新刊。自分が影響を受けている、「説得力があるなぁ」と思う、端的に言って「好きな予想家」というと、パッと思いつくのは三人で、中でも一番好きなのは「血統ビーム」の亀谷敬正さん。あとは柏木集保さんと、棟広良隆さん。棟広さんの新馬場適性理論を知ったのは3年ぐらい前だけれど、対峙した時にはほとんど競馬観が変わるような衝撃を受け、「穴馬ってこうやって見つけるのか!」と、競馬に対する新たな視点を獲得するのに大いに役立った。この本にも書かれている「人気薄は2ついいところがあれば買え、人気馬は2つ悪い所があれば消せ」という格言は競馬の本質をつくものだと思っているし、実践している。基本的には「競馬王」の連載をまとめた内容なので、雑誌を買っている人には目新しいという本ではないけど、新書サイズでふとした時に読み返すのには非常に適している(競馬の本は持ち運ぶのに不便なのが多いからなぁ)。馬券の買い方指南に関してもかなり得心のいく部分が多いけど、自分は相変わらず「総流し」を実践してないんだよなぁ…。まずは「総流し」で競馬の人知を超えた部分(思考の死角)を馬券に取り入れ、その上に自信度に応じて馬券を「重ねて」買っていくという手法は、負けを減らす上でかなり有効な手段…と思ってはいるんだけれど言うは易し…。ともかく競馬は穴馬のピックアップを中心に考えていかなければいけないというのは間違いのないところだと思う。来月は同じ競馬王新書から亀谷さんの新刊が発売(『安藤勝巳の頭脳』)。