徒然

(文章メチャクチャだったので若干加筆)


●競争に対する高いモチベーション、精神的な安定性、瞬発力勝負にも持続力勝負にも対応する自在性と、超一流馬としての資質を思う存分発揮した今シーズンのダイワスカーレット。この死角のなさを見ると来季はどの路線でも中心視せざるをえない存在だけれど、突如としてガタっとくることもありえる牝馬だけに(しかも海外にらみ)、無抵抗に◎を献上というのもはばかられるところ。有馬で妙味が出尽くした感はあり、とりあえず来季復帰戦は2着受け? 見所のあるレースをしたロックドゥカンブも個人的にはかなり疑っている。勿論非常に競馬センスに長けた馬だとは思うが、今の段階だとあくまで「優等生レベル」であり、厳しいレースで鎬を削ってチャンピオンホースに躍り出るような迫力というものは感じない。あと、南半球産馬は「本格化すればどれだけ強いか…」と思わせといて、57キロ背負ったりすると途端に大したことなくなるというのがやはりパターンではないかなと個人的には思っている。ロックドゥカンブの見せ場作って4着というのは、ローエングリン宝塚記念3着と同じような匂いがしていて、前哨戦ならともかく、G1であまり過度の期待はしたくない。春天に行くなら、「阪神大賞典で距離理由に少し嫌われる→意外に頑張って『距離こなした!本格化!』と思わせる→本番グリグリでズッコケ」みたいなパターンにハマりそうなイメージ。まぁそれでなくとも人気先行のタイプであろうし、来年の上半期は「ロックドゥカンブ逆張り」というのが一つテーマかな。本当に大物になるかもしれないけれど、そう考える人が多ければ多いほど自分は食わせ物の方に張るよという話。



●有馬で強く感じたことは、とにかく「逆張り志向ならリスクを背負って勝負しろ」ということ。ダイワスカーレットには有馬の舞台に全く適正がない可能性が大いにあり、確かにかなりリスキーな馬ではあったが、だからこそあれだけ高いレベルで安定したレースぶりを見せながら単勝馬連ともに売れていなかった。恐らくダイワスカーレットという馬は、競馬を少し知っている人なら真っ先に「お客さんだろ」と思う馬のはずで、実際自分も当初は消す気満々だった。逆に買いやすい材料が揃いすぎていたと思うのがロックドゥカンブで、どちらがリスキーな馬かと言えばそれはダイワの方だろう。でも結果はいかにもお客さん扱いされそうなダイワが好走し、いかにも買いやすそうなロックは見せ場作ったものの4着。この部分を重く受け止めなければいけないのではないかと思ったわけです。

最近G1レースがやたらと荒れているせいか、競馬ファンが人気馬に対する不信感を募らせているような雰囲気があり、「買われすぎの穴馬」の割合はかなり増えている気がする。逆に強い競馬を見せているのに、「データ」とか、「距離不安」とか、「騎手」とか、競馬の知識がある人が嫌いそうな材料で人気を落としている馬の好走が目立つように思う。例えばデータならスイートピーステークス勝ちのカワカミプリンセス、距離ならウオッカスイープトウショウ、騎手なら高田潤ドリームパスポート。最近のG1レースでは過去のデータがどんどん役に立たなくなっていて、「こういう馬はこれまできたことないから」という馬が普通に好走してしまう。そういう馬は「全くダメな可能性がある」というリスクを感じさせるがゆえに人気にならないわけだけれど、競馬が常に多数派が搾取され、少数派が祝福されるゲームであることを考えると、そうやって「誰にも看過できるリスクがあるがゆえに人気を落としている馬」というのは、「買い」であるということが言えると思う。アグネスアークだって誰が見ても「馬体減りすぎだろ」と思うが、そんな逆境をはねのけて3連発。逆張り志向の人間は、みんながブレーキをかけるところで立ち止まってはいけない。競馬はチキンレースや!



●だから東京大賞典フリオーソなんて買ってるようじゃダメなんですよね。いや、ほんとは買いたいよ。買いたいけど、こんなのみんな買うじゃん、どう考えたって。誰の目から見ても「買い時」じゃん。自分程度に「あー、この馬、大井でのパフォーマンスが強かったからな。前走JCDのキツイレースを負けた後で人気落ちるなら絶対買いだな」なんてバレてるってことは、今のレベル高い競馬ファンなら多分10人中8人がおんなじこと考えてますわ。無理無理。当たったところでヴァーミリアンとの馬連でどうせ4倍ぐらいだし。パスパス。