今週はゼンノコーラルを指名した以外のレースでは脳内物質が全く出なかったので、マイナスは出なかったとはいえ妙に寂しい気持ち。ガーネットステークスは、「中山1200の上級条件は超前傾になるから、体力ある差し馬に展開向くんだよね。スピード活かして連勝してきたバクシンオー産駒なんてメイチの切りでしょ」みたいなことをスケベ野郎達(自分)が言い始めた結果、バクシンオー産駒の逃げ切りを生んだわけですよ。寄る辺なき大海を彷徨うが如き競馬予想という行為にあっては、こうして知らず知らずの内に誰もが定石という名の「ありふれた策」に寄りかかってしまうもの。自分の予想に「全く艶がない」と感じた時は、まずレースの捕らえ方そのものを再考してみる必要がある。定石通りの競馬予想をしてバカスカ当たるのだったら、自分などとうに蔵が建っているはず。その気配すらまるで感じられないということは、競馬は定石を打つだけでは勝てないということ。定石を知っている+知っていながらそれをあえて無視してみせる反骨的な勝負度胸こそが、予想に血を通わせるとは言えないか? 流れのままに流されるは、死んだ魚。活魚とは、流れに逆らって泳ぐものだ。


 タイセイアトムが33.1というハイラップを逃げて、ラスト脚が完全に上がりながらも先頭でゴールに飛び込んでしまったのは、展開や相手関係の恩恵もあったかもしれないが、やはり連勝の勢いというものがあったのかもしれない。タイセイアトムの勢いとは、そのまま矢作厩舎の勢いだ。昨年スーパーホーネットスワンステークスを勝ち、重賞初制覇。そのわずか2ヶ月後に早くも重賞2勝目を上げてしまったのだから素晴らしい。元々自分が注目している予想家である、「新馬場適性理論」の棟広良隆氏と懇意の調教師ということもあり、「これは金になりそうな先生だ」と下心丸出しの視線を注いでいたが、最近の管理馬の活躍ぶりを見ると(ジョイフルスマイル、エイムアットビップも矢作厩舎)、いよいよ頭角を現してきたと見るのが自然だろう。エイムアットビップ、スーパーホーネットは黙ってても人気になってしまうかもしれないが、まだまだ世間的に見ればネームヴァリューはそれほどない厩舎だと思うので、「人気薄の時は積極的に買う」という姿勢で付き合っていきたい。2008年は、矢作厩舎に乗る!