今週の大きなテーマが、「ヴィクトリアマイルウオッカの復活はあるのか?」ということ。前走ドバイでワールドクラスの牡馬に混じって4着、東京での決め手勝負はベスト条件であり、しかも相手関係でぐっと楽になる牝馬限定戦。ここで格好をつけられないようでは…と誰しも思うところだが、個人的にはウオッカ頭という馬券を買うつもりはない。前走は0.3秒差4着という字面こそ悪くないが、レースを支配するところまで行けずなだれ込んでの着順。ウオッカがどうと言うより以前に、こういう勝ち負けに届かない位置にいた馬が、相手が下がるとはいえ1番人気に推されてしまう現象自体にまず危険を感じる。相手関係を問うより先に、ダービー以降ウオッカの持っていた鋭い末脚や強烈な存在感がなりを潜めてしまっているということをまず問題にすべきで、前走でも復調の気配が感じられない以上、条件ベストでもウオッカにダービー以前のようなパフォーマンスを期待することは無理なのではないか…というのが自分の見方。牡馬でもダメージの大きいダービー制覇を、牝馬がしてしまったことによる代償は、やはり小さくないと考えるのが自然だろう(しかもその後回復に専念させず、宝塚記念まで使ってしまった)。この状態でもしウオッカが勝つようなら、ベッラレイアニシノマナムスメとの間に相当な力の差があるということだが、そこまで如何ともしがたい能力差が空いているようにはちょっと思えない。こうして考えていくと、今回復調が定かではないウオッカ単勝を握り締めることは、メリットが少ない上に非常にリスキーな行為だと自分には思える。もちろん64年ものあいだ閉じられていた歴史に風穴をあけた稀代の名牝に対する畏れは十分に持っているが、ここは馬券的妙味を優先する側に回りたい。


 ベッラレイアオークスで苦杯を舐めた秋山とのコンビ復活で、肩入れしたくなるところではあるけど…7ヶ月ぶりでぶっつけG1というのはやはりどうなのか。ちょいと人気を落としてからエリ女でドーン!とかましてくれないものか(勝手な思惑すぎる)。