ダイワスカーレット

 去年の有馬記念を見直してみたけど、やっぱりマツリダとダイワスカーレットは強いなぁ…。ただ天皇賞のダイワの行きっぷりを考えると、今年の有馬は去年以上のハイラップを自ら踏んでしまうというケースはありそう。加えて勝負どころでマツリダにまともに目標にされそうなことを考えると、さすがのミス・パーフェクトも今回ばかりは厳しいのではないかという気がしてしまう。

 3歳時は掛かってるように見えて折り合いはついていて、そこから自らレースの主導権を奪いスローの瞬発力勝負に持ち込んで…という馬だったが、秋天見ると年を重ねて行きたがる気性が出てきたのではないか、という風にも感じられる。アンカツは「久々のせいで気負っていた。これを使えば落ち着くはず」と言っているが、今まで全く気負わなかった馬がそういう素振りを見せたという点はやはり不安。まぁどっちにしろあのラップで行って粘るんだから、能力が尋常ではないということに違いはないんだけど。

 ただ行きたがる気性が出てきてるとすれば、距離延長+急坂で、秋天よりまともなスタミナ勝負になる有馬という舞台はマイナスの要素が強い。しかも去年が5番人気で、今年はド本命。買う価値は去年より落ちている。消すのはさすがに厳しいが、本命にして得られるものが去年より少ないことに加え、気性の不安を考えるとすれば、この馬中心で馬券を組み立てるという感じではないかな。


マツリダゴッホ

 本来苦手なカテゴリーのはずの、東京のスロー勝負でもあわや勝つかという競馬。中山では神がかって強い馬だけに、上昇確実なこの舞台で評価落とすというのはありえない。最早「死角がないのが死角」とでも言うしかつつき所のない馬。まぁ去年のメイショウサムソンも戦前はそんな感じだったけど。

 ただ競馬は基本的に本命を買うことが「割に合わない」ゲームなので、こういう死角らしい死角のない、妙味の絞り尽くされた馬は一番買う意味がない馬とも言える。去年は外々回さず一番ロスのない競馬ができたが、今年外枠でも引いてダイワスカーレットが刻んだハイラップを外々から飲み込もうとすると、案外マクリ切れず失速というシーンはあるかも。蛯名は本来強引な競馬を好む騎手だし、マツリダが外枠引いたら危険信号と思っておきたい。自分の信条からいって妙味出尽くしたこの馬本命はありえないが、馬券の相手には加えにゃいかんところ。